漬物は健康に良い?栄養や食べるときのポイントを紹介
炊きたてのご飯に、漬物をひと切れ。
昔から日本の食卓で親しまれてきた漬物ですが、「漬物は健康に良いの?」「毎日食べても大丈夫?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
漬物は野菜から作られる食品です。また、ぬか漬けやすぐき、伝統的なしば漬けなど、乳酸発酵によって作られるものもあります。
一方で、漬物には塩を使うものが多いため、食べる量や食事全体の塩分とのバランスにも目を向けたいところです。
大切なのは、「漬物は健康に良い」「漬物は塩分が多いから避けた方がよい」と一つの面だけで考えないこと。
この記事では、漬物に含まれる栄養や発酵・乳酸菌との関係、塩分で気を付けたいこと、毎日の食卓での取り入れ方についてわかりやすくご紹介します。
漬物は健康に良い?
漬物は、野菜を塩やぬか、酢、酒粕、調味液などに漬けて作る食品です。
そのため、原料となる野菜に由来する栄養素を含みますが、どのような栄養素がどの程度含まれるかは、使われる野菜や製法によって異なります。
また、すべての漬物が発酵食品というわけではありません。
乳酸発酵によって作られる漬物がある一方で、酢や調味液などで味を付けた、発酵を伴わない漬物もあります。
さらに、漬物の多くには塩が使われています。
そのため、漬物だけを「健康に良い食品」と捉えるのではなく、種類や食べる量を考えながら、日々の食事の一品として楽しむことが大切です。
漬物そのものについて詳しく知りたい方は、「漬物とは?種類や作り方、発酵との違いをわかりやすく解説」もあわせてご覧ください。
漬物にはどのような栄養が含まれている?
漬物は野菜を原料としているため、その野菜に由来する栄養素を含んでいます。
ただし、栄養成分は野菜の種類や漬け方によって変わります。
野菜に由来する栄養素
漬物には、原料となる野菜に応じて、食物繊維やビタミン、ミネラルなどが含まれています。
例えば、大根、きゅうり、かぶ、なす、白菜など、漬物にはさまざまな野菜が使われます。
同じ漬物でも原料が違えば、含まれる栄養素も同じではありません。
また、漬ける過程で栄養成分が変化することもあります。
「漬物にはこの栄養が必ず多く含まれる」と一括りにせず、野菜や製法によって違いがあると考えるとよいでしょう。
ぬか漬けでは、ぬか由来の栄養素が加わることも
ぬか漬けは、米ぬかに塩や水などを加えて作ったぬか床に野菜を漬ける、昔ながらの漬物です。
農林水産省では、ぬかに含まれる栄養成分が漬けた野菜へ移ることがあると紹介しています。
生の野菜とはまた違った味わいや栄養面の特徴が生まれることも、漬物という食文化の興味深いところです。
発酵する漬物には乳酸菌が関わっている
漬物と健康について調べていると、「乳酸菌」という言葉を目にすることがあります。
乳酸菌は、糖などを利用して乳酸を作る微生物です。
ぬか漬け、すぐき、伝統的なしば漬けなど、一部の漬物では乳酸菌が発酵に関わっています。
乳酸発酵が進むことで独特の酸味や香りが生まれ、生の野菜とは違った味わいへと変化していきます。
ただし、「漬物を食べれば必ず健康になる」というものではありません。
また、乳酸菌の種類や量、製造工程などは漬物によって異なります。
漬物を健康効果だけで捉えるのではなく、発酵によって生まれる味や香りも含めて楽しみたいところです。
乳酸発酵については、「乳酸発酵とは?漬物がおいしくなる仕組みを解説」で詳しくご紹介しています。
すべての漬物に乳酸菌が含まれているわけではない
ここは、漬物について知るうえで大切なポイントです。
漬物には、微生物の働きによって発酵させるものだけでなく、酢や醤油などの調味液に漬けて作るものもあります。
そのため、「漬物=発酵食品=乳酸菌が含まれている」と考えるのは正確ではありません。
例えば、伝統的なしば漬けやすぐきは乳酸発酵を利用しますが、現在販売されている漬物には、調味液などで食べやすく仕上げた商品もあります。
同じような名前の漬物でも、原材料や製法が異なる場合があります。
発酵食品について詳しくは、「発酵食品とは?漬物との関係や特徴をわかりやすく解説」をご覧ください。
漬物を食べるときに気を付けたい塩分
漬物を毎日の食卓で楽しむときに、気を付けたいのが塩分です。
漬物は、野菜を保存したり味を付けたりするために塩を使うものが多くあります。
ただし、塩分量は漬物の種類や商品によって異なります。
そのため、「漬物は塩分が多いから食べない」と考えるのではなく、商品の栄養成分表示を確認しながら、食べる量やその日の食事全体とのバランスを考えることが大切です。
例えば、漬物を大皿いっぱいに盛るのではなく、小皿に少量を取り分ける。
味噌汁や塩味の強いおかずがある日は、漬物の量を少し控える。
そんな小さな工夫でも、日々の食事の中で付き合いやすくなります。
漬物を毎日の食卓で楽しむ4つのポイント
1.小皿に少量を盛る
漬物は、たくさん食べなくても香りや酸味、歯ざわりを楽しめます。
小さな器に食べる分だけ盛れば、食卓のアクセントにもなります。
白いご飯の横に、ほんの数切れ。
それだけでも、ぱりっとした歯ざわりやほどよい塩味が加わり、ご飯をゆっくり味わえます。
2.いろいろな野菜を楽しむ
漬物には、きゅうり、大根、かぶ、なす、白菜など、さまざまな野菜が使われています。
一つの漬物だけに偏るのではなく、季節や料理に合わせて種類を変えてみるのも楽しみ方の一つです。
野菜によって、香りも歯ざわりも異なります。
3.食事全体の味付けとのバランスを見る
漬物だけでなく、味噌汁、煮物、焼き魚、加工食品など、食卓には塩分を含む料理がいくつも並ぶことがあります。
一品だけを見るのではなく、その日の献立全体で考えることが大切です。
漬物を添える日は、ほかのおかずを少し薄味にするなど、自分の食卓に合わせて調整してみましょう。
4.「健康のため」だけでなく、おいしく味わう
健康を意識することは大切ですが、漬物は薬ではありません。
旬の野菜の味を楽しむこと。発酵によって生まれた酸味を味わうこと。炊きたてのご飯との組み合わせを楽しむこと。
そうした日々の食事の中に、無理なく漬物を取り入れることも大切ではないでしょうか。
京都の漬物から感じる、野菜と発酵の知恵
京都には、季節の野菜を生かしたさまざまな漬物があります。
しば漬け、千枚漬、すぐきは、「京都三大漬物」として知られています。
その中でも、伝統的なしば漬けとすぐきには乳酸発酵が関わっています。
一方、千枚漬は聖護院かぶらを薄く切り、昆布などとともに漬けて作られる京都の冬を代表する漬物です。
同じ京都の漬物でも、使う野菜も作り方も味わいも異なります。
冷蔵庫のない時代から、季節の野菜をできるだけ長く大切にいただく。
漬物には、健康という言葉だけでは語り切れない、野菜とともに暮らしてきた人々の知恵が残されています。
京都三大漬物については、「京都三大漬物とは?しば漬け・千枚漬・すぐきの特徴を紹介」もあわせてご覧ください。
ニシダやの漬物を、毎日の小さなひと皿に
京都・東山で昭和11年(1936年)に創業したニシダやでは、毎日の食卓に寄り添う漬物をお届けしています。
看板商品の「しば漬け風味 おらがむら漬」は、胡瓜を中心に、生姜、茄子、茗荷、紫蘇の葉を漬け込んだ一品です。
伝統的なしば漬けとは製法が異なりますが、胡瓜のぱりぱりとした歯ざわりと、赤しその爽やかな香りを楽しめます。
炊きたてのご飯の横に少し。お茶漬けやおにぎりと一緒に。
健康のために無理をして食べるのではなく、食事全体とのバランスを見ながら、小さなひと皿で楽しむ。
そんな何気ない食事の時間も、漬物のある暮らしの魅力です。
漬物と健康についてよくある質問
Q. 漬物は健康に良いですか?
A. 漬物は野菜から作られ、種類によっては乳酸発酵を利用したものもあります。一方で塩分を含む商品も多いため、「食べれば健康になる」と一律にはいえません。種類や量、食事全体のバランスを考えて楽しみましょう。
Q. 漬物は毎日食べても大丈夫ですか?
A. 適した量は、その人の食生活や健康状態、商品によって異なります。毎日食べる場合も、栄養成分表示を確認し、塩分を含むほかの料理とのバランスを考えることが大切です。
Q. 漬物には乳酸菌が含まれていますか?
A. すべての漬物に乳酸菌が含まれているわけではありません。ぬか漬けやすぐき、伝統的なしば漬けなど、乳酸発酵を利用して作られる漬物があります。一方、発酵を伴わない漬物もあります。
Q. 漬物の塩分が気になる場合はどうすればよいですか?
A. 商品の栄養成分表示を確認し、小皿に少量を取り分けるなど、食べる量を調整する方法があります。漬物だけでなく、その日の食事全体の味付けや塩分も合わせて考えましょう。
Q. 発酵している漬物にはどのようなものがありますか?
A. ぬか漬け、すぐき、伝統的なしば漬けなどがあります。ただし、同じ名前の漬物でも商品によって製法が異なることがあるため、原材料表示や商品説明を確認するとよいでしょう。
まとめ
漬物は、野菜をおいしく味わうために受け継がれてきた食文化の一つです。
原料となる野菜に由来する栄養素を含み、ぬか漬けやすぐき、伝統的なしば漬けなど、一部の漬物では乳酸発酵が利用されています。
一方で、すべての漬物が発酵食品というわけではなく、塩分量も種類や商品によって異なります。
だからこそ、「健康に良いか、悪いか」だけで考えるのではなく、自分の食事に合った量を楽しむことが大切です。
炊きたてのご飯に、漬物をほんの少し。
季節の野菜の香りや歯ざわりを感じながら、一膳のご飯をゆっくりいただく。
そんな小さなひと皿から、漬物のある食卓を楽しんでみてはいかがでしょうか。